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 幌萌鐵道管理局   阿佐海岸鉄道 Short Report
 
初出: 埼玉大学鐵道研究会会報「空転防止」第31号(平成6年2月26日発行)

 M1年の時に寄稿した記事の一つ。鐵研合宿のあった四国を周遊した際に訪れた阿佐海岸鉄道について触れてみました。未だに私にとって不思議な存在です。

 
はじめに

 平成4年3月に海部−甲浦間に開業した阿佐海岸鉄道阿佐東線に, この夏の四国合宿に合わせて乗る機会があったので, ここで簡単に報告する。

概要

 阿佐海岸鉄道阿佐東線は海部−甲浦間8.5kmの第三セクター鉄道である。元は国鉄阿佐線として牟岐−後免間が昭和34年に工事線となり牟岐−海部間は昭和48年に開業した。その後建設は進められたが例の国鉄再建法により昭和55年には建設中断となった。しかし地元の建設熱が相当強かったのか, 徳島県や高知県が出資する形で第三セクターとして運営されることとなり, 約10年のブランクを経て建設再開。平成4年3月にめでたく開業となった。

駅および列車について

 海部−甲浦間は途中駅は宍喰のみで, 海部, 宍喰は徳島県, 甲浦は高知県に属している。
 海部は牟岐線との接続駅で高架駅である。かつては単線であったが, 阿佐東線の開業に伴いもう一本線路が増設され相対式の交換可能駅となった。阿佐東線の列車の内の2/3は牟岐まで乗り入れている。
 宍喰は市街地から少し離れた場所にある。これも高架駅である。阿佐東線唯一の直営駅で町の物産センターが併設されている。自動券売器のほか硬券類も常備している。駅から数百m甲浦側に進んだところに車両基地がある。
 徳島県から県境を越えて高知県に入ると甲浦に到着する。甲浦は真新しい高架駅であるが線路と高架はここで途切れている。この先の建設は全く進んでいない。駅舎はホームとは完全に独立した地平にあるログハウス風の建物で, 駅舎内の観光案内所で乗車券(軟券)を委託販売している。駅前はバスロータリになっているが, それ以外は現在土地区画整理中のようで何もない。

 列車についてだが, 運転密度はかなり高く1日12往復で, そのうち8往復が牟岐まで乗り入れている。更にそのうち下り1本が高松から, 上り2本が岡山へのL特急「うずしお」の乗り入れとなっている。


▲ 甲浦駅外観 駅舎左後方に高架ホームがある。


▲ 宍喰駅にて ASA100形気動車

切符について

 先程述べたように宍喰駅では硬券と自販機券, 甲浦では簡易委託券(軟券)である。海部駅は確認していないがJRでは軟券で簡易委託していたので阿佐東線でも同様な措置を採っているだろう。
 軟券の地紋は薄い水色で「阿佐海岸鉄道」, 硬券の地紋は薄い赤で「海岸鉄道」となっている。硬券の様式は土佐くろしお鉄道と非常にそっくりである。四国の第三セクターの先輩を見習ったというところか。ちなみに最低運賃は200円なので入場券はこの値段である。(線内の運賃は3パターンしかない)

まとめ

 阿佐海岸鉄道についてその概略を述べてきたが, この阿佐東線, なぜ中途半端な建設をしたのか全く解せない。宍喰−海部間は人の動きがある程度確保できるが, 一方甲浦となると疑問である。このままでは採算が採れないのは一目瞭然である。今の短い線区では企業努力をしようにも出来ない。JRの特急の乗り入れにしてもあまり意味があるようには思えないし(間合運用と思えばいいのだろうが), どうせなら牟岐線の牟岐以南は阿佐海岸鉄道へ譲渡したほうが良いのではないだろうか。
 どちらかと言えば地元のエゴやメンツで出来たとしか思えないこの阿佐海岸鉄道はこの先どうなるのでしょう? もうしばらく見守る必要がありそうだわね。


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