幌萌鐵道管理局   '91夏 東北地方私鉄乗車記
 
5.小坂精練小坂鉄道 (大館−小坂:22.3km:580円)

 これは元の同和鉱業小坂線で,親会社が同和鉱業から分割されたため小坂精練となった。鐵研では昨夏に同和鉱業片上鉄道に行っているため私にとってはその時見たのと同じ車両ばかりであった。
 さて小坂鉄道の大館駅はJR大館駅から歩いて1分ほどの,駅を出て多少左側を歩いて行くとある。駅舎には同和鉱業の保険の事務所も併設されている。
 ホームには片上鉄道ではキハ800形を名乗っていたキハ2100形が止まっていた。私が乗った時は昼前の列車。これが予想外に混雑。ご老人が多いのを見ると。朝早くに町に出てきて用事を済ませてから帰るところなのであろう。本当にびっくりした。

 列車は走り出すとかつての花岡線の路床が左側に分かれ,ずんずんと山間を走って行く。大館の町外れでかなり車内が空く。その後雪沢温泉などを通るがこれといった乗降客はいない。かなりの山奥を走っているようだ。
 そうこうしていると進行方向右側の車窓から下の方に大きな町が見えてくる。この町をぐるっと回って列車は坂を下りて行き小坂の町に入る。そして小坂着。小坂の街は意外に大きくちょっと驚いた。小坂には機関区があり,キハ2100形DCの他,DD13形DL,タンク車等の貨車がたむろしていた。なかなか興味深いところである。

 切符は大館のみ自動券売機が入っており,硬券入場券のみの発売である。他の有人駅では硬券の入場券・乗車券とも発売している。

 車両は旅客用の気動車がすべてキハ2100形である。これは一目で分かる日車製で,関鉄キハ800・500形と同系列である。片上鉄道に在籍していたキハ800形は花岡線廃止,乗客の減少によりここから移籍して行ったものである。
 貨物列車の牽引機関車はDD13形である。小坂線にはこのとき塗装に二つのバージョンがあって,全体が朱色で白帯の入ったもの,もう一つは片上でも見たネズミ色の入ったバージョンである。小坂で偶然 車庫入りのDD13の5重連を見てしまい,なかなかこれは凄かった。エンジンが動いていたのは1両だけだったが。


▲ キハ2100形 大館駅にて ('91.8.30)


▲ DD13ほか 小坂駅にて ('91.8.30)

6.秋田内陸縦貫鉄道 (角館−鷹巣間:94.2km:1590円)

 秋田内陸縦貫鉄道は昭和61年11月,国鉄角館線および阿仁合線が移管されてできた。その後平成元年4月に松葉−比立内間が完成し,ここに角館と鷹巣が結ばれた。
 ここは日本初の女性運転手がいることで有名だが,彼女の写真がアピールするためか角館駅に貼っていた。

 さて角館を発った列車は田沢湖線と分れ左側に大きいカーブを描いて曲がって行く。そしていかにも東北らしい山間を走ってかつての終点,松葉に到着する。ここからが新たに建設された新線となる。っと,ここからが大変。単調な景色で列車の乗り心地がよいものだから眠くなって我慢できず寝入ってしまった。この松葉から阿仁合の間は鐵研でも乗った人はほとんどが寝てしまったという「魔の睡眠線区」である。眠気覚ましになにか持って行ったほうがいいですよ。
 阿仁マタギ(すげー駅名だ),比立内と過ぎてこの線での中心地,阿仁合着。秋田内陸縦貫鉄道は阿仁合で運行形態が分れている。直通する列車は下手するとここで30分ほどの停車となる。また規則上はここでホームに降りることができない。しかし実際には駅員も構わないという様子で,安心して構内をうろつけた。ここには車庫があるので時間があったらどうぞ。
 阿仁合−鷹巣間は幾分運転本数が増える。多少町かなぁと思えるところを走って行き,大体1時間ほどで鷹巣に着く。この沿線は特に景色が優れている訳でもなく,さほど印象に残らなかった。


▲ AN8800形 阿仁合駅にて ('91.8.30)


▲ 急行「もりよし」用 AN8900形
阿仁合運転区にて ('91.8.30)

 さて車両であるが開業当初はキハ22を用いていたが,全線開通を機に全車新車の気動車を導入した。AN8800形が普通列車に運用されており,第三セクターでよく見かけるセミクロスシートの車両である。AN8900形は急行「もりよし」に使用されている車両で,原則として2両編成で運用にあたっている。どちらの車両とも外観も内装もよい車両である。

 切符についてであるが,有人駅全駅に硬券の乗車券・入場券とも常備している。が,この切符,硬券と呼ぶにはちょっと抵抗のある厚さ。約0.3mmの厚さである。これが大きい駅(角館,阿仁合,鷹巣)での話であって,阿仁前田で買ったものなんかはもっと薄い。JEの自動券売機の切符よりまだ薄い。大きさもまちまちで乗車券に着いてはすべてA型,入場券に関しては角館−阿仁合間ではA型,阿仁合より鷹巣側ではB型のようだ。

 角館−阿仁合間はワンマン運転である。鷹巣−阿仁合間の大体の列車には車掌が乗務しているようである。私が乗車した時の車掌は下車時に切符が欲しいと頼むと渋っていたが,それでももらってきてしまった。

 急行「もりよし」は1日4往復であるが,乗車率はあまり芳しくない様で空気を運んでいるようである。せっかく女性運転士が入るけど,やっぱり片田舎の鉄道ではお客を呼ぶのは大変なことであるようだ。


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